セレコックスと併用注意の医薬品や飲み合わせの解説

セレコックスと他の医薬品との併用について

 

たいていの医薬品には、一緒に服用してはいけない「併用禁忌」、そしてなるべく併用したくない「併用注意」の医薬品があります。セレコックスもそれは同じで、いくつかの併用注意医薬品が存在します。

 

ここでは、セレコックスの併用注意の医薬品の解説と、セレコックスと併用されやすい処方薬・市販薬の飲み合わせについて説明します。

 

目次

 

セレコックスの禁忌について~アスピリン喘息に注意!~

 

セレコックスの添付文書には「禁忌」の項目があり、セレコックス服用者がしてはいけないことが記述されています。

 

セレコックスやスルホンアミドに過敏症がある人 セレコックスを服用すると、アナフィラキシーなどのアレルギー症状が起こる恐れがあるため。
アスピリン喘息になったことがある人 アスピリン喘息にかかる恐れがあるため。
胃潰瘍(消化性潰瘍)がある人 消化性潰瘍を悪化させる恐れがあるため。
肝障害がある患者 肝障害を悪化させる恐れがあるため。
腎障害がある患者 腎障害を悪化させる恐れがあるため。
心機能不全のある患者 体内の水分が増え、高血圧を誘発し、心機能を悪化させる恐れがあるため。
冠動脈バイパス再建術を受けた患者 心筋梗塞や脳卒中の発現が増加するというデータあり。
妊娠末期の女性

胎児の動脈管収縮などのリスクあり。
→ 妊娠初期~後期・授乳中の影響について

 

特に注意したいのが「アスピリン喘息」のリスクです。セレコックスやアスピリンなどのNSAIDsと呼ばれる痛みどめは、体内のCOXと呼ばれる酵素の働きを阻害することにより、体内のアラキドン酸が痛み成分のプロスタグランジンに変化するのを防ぐという特徴があります。 →セレコックスの作用機序について

 

ところが、COXを阻害すると、プロスタグランジンになりそこなったアラキドン酸が体内に増えることになります。その結果、アラキドン酸がアレルギー物質のロイトコリエンと言う成分に合成されてしまうことがあるのです。その結果、気管支がロイトコリエンに反応してアレルギー反応を起こし、気管支ぜんそくになってしまうのです。

 

このNSAIDsが原因の薬剤性気管支ぜんそくを「アスピリン喘息」と呼びます。名前としては「アスピリン」と付いていますが、セレコックスにも発症リスクがあるので、過去にアスピリン喘息になったことがある人はセレコックスを服用することはできません。

 

他にも、セレコックスは他の痛みどめに比べたら胃にやさしいとはいえ、胃への負担はあるので、すでに胃潰瘍を持っている人は服用できません。また、代謝や作用の関係から、肝臓・腎臓・心臓に疾患がある場合はセレコックスの服用は避けましょう。

 

セレコックスの併用注意医薬品とは?

 

セレコックスにはいくつかの併用注意医薬品があります。まずは一覧で確認してみましょう。

 

薬剤名など 何の症状に利用されるか 併用ノリスク
ACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害剤(カプトプリルなど)

心筋梗塞
心不全など

セレコックスのプロスタグランジン合成阻害により、ACE阻害効果が弱くなる。
フロセミド(ラシックス) むくみ治療など 排尿作用が弱くなる。
アスピリン(バファリンなど) 抗炎症・痛みどめなど 胃潰瘍ができやすくなる。
リチウム(炭酸リチウムなど)

躁うつ
双極性障害など

リチウムの作用が強くなりすぎる。
フルコナゾール(ジフルカン) カンジタ症 血中濃度が上昇しやすくなり、薬の作用が増強される。
フルバスタチン(ローコール) 抗コレステロール血症 血中濃度が上昇しやすくなり、薬の作用が増強される。
クマリン系抗凝結剤・ワルファリン(ワーファリン)

血栓塞栓症
心臓弁膜症
脳塞栓症

プロトロンビン時間が延長し、致命的な出血が起こる場合も。
パロキセチン(パキシル) うつ 血中濃度が上昇しやすくなり、薬の作用が増強される。
デキストロメトルファン(メジコン)

せき
たん

血中濃度が上昇しやすくなり、薬の作用が増強される。
制酸剤(アルミニウム・マグネシウム製剤) 胃もたれ、胸焼け セレコックスの効果が弱まる。

 

↑がセレコックスとの併用注意医薬品やその理由の一覧です。この中でも、うっかり併用してしまいがちなものについては色つきで表示しています。この色つきのものについて、詳しく説明していきます。

 

アスピリン(バイアスピリン)

 

アスピリンはセレコックスと同じNSAIDsの医薬品となりますが、名指しで併用注意となっています。アスピリンはCOX-1の阻害作用が強めで、胃への負担が大きいとされていますが、セレコックスと併用することでさらに胃潰瘍などのトラブルのリスクが増えるとされています。

 

セレコックスとほぼ同じ効果なので、併用しても効果が重複するため、同時に服用する利点があまりありません。そのため自発的に併用に至るケースは少ないはずですが、アスピリンは「バファリン」などメジャーな市販薬に入っているので、知らない間に併用しているケースはありえます。よく服用する医薬品がある場合は、アスピリンが入っていないかどうかチェックしておきましょう。

 

ワーファリンの相互作用

 

ワーファリン(成分名:ワルファリン)は血栓塞栓症・心臓弁膜症・脳塞栓症予防に使用される凝固薬です。使用している人はそれほど多くはありませんが、相互作用に注意が必要な医薬品として有名です。相互作用は薬だけでなく、「納豆」や「クロレラ」を食べるのも禁忌となっているほどです。

 

セレコックスとワーファリンを併用すると、ワーファリンの作用が強くなってしまうことがわかっており、併用注意となっています。もし心臓や血管系の病気にかかっている場合は、ワーファリンを服用していないかどうかは確認しておきましょう。

 

パキシルの依存性

 

うつ病の治療でよく使われる「パキシル」も、セレコックスと併用すると血中濃度の上昇が見られるとされています。

 

パキシルには耐性・依存性形成しやすいという特徴があり、断薬すると離脱症状が出やすいなどデリケートな扱いが求められます。そこで、セレコックスとの併用でパキシルの血中濃度が上昇してしまうと、耐性や依存性ができやすくなってしまうリスクが考えられます。したがって、パキシル服用中はできるだけセレコックスの服用は避けるべきでしょう。

 

パブロンなどに含まれる「メジコン」

 

メジコン(成分名:デキストロメトルファン)は、せきやたんの治療に使われる医薬品です。セレコックスと服用すると、メジコンの血中濃度が増えやすいと言われています。

 

せきやたんというよくある症状に効くということもあって、パブロン市販の風邪薬などにもよく配合されている成分です。なので、風邪の治療中で薬を飲んでいる場合は摂取している可能性が高いです。

 

もともとの効果が「せき」や「たん」などの症状なので、血中濃度が多少増えてもそれほど影響は出ないケースが多いです。なので気にしすぎるほどではないですが、併用によって不調が出る場合は、風邪を引いている間はセレコックスを控えるなどの対策を取りましょう。

 

ほとんどの制酸薬はアルミニウム・マグネシウムを含む

 

制酸薬とは、「胃酸を中和する薬」のことです。胃酸過多によって胃が痛かったり、むかむかしたり、二日酔いで胸焼けがするといった場合によく利用される医薬品で、市販薬もたくさん販売されています。

 

ただ、その制酸薬のほとんどには「アルミニウム」もしくは「マグネシウム」の化合物が入っており、そういった医薬品はセレコックスとの相性があまり良くありません。セレコックスの効果が弱まるとされているので、「セレコックスを飲んでいるのに、普段より少し痛い」といったケースが考えられます。

 

もしセレコックスの効き目が弱くなったように感じたら、他で飲んでいるアルミニウム/マグネシウム入りの制酸薬が原因かもしれません。そんなときは、アルミニウムやマグネシウム不使用の「奥田胃腸薬」などに切り替えるのも手でしょう。

 

この医薬品はセレコックスとの併用OK?

 

セレコックスと併用注意の医薬品を解説してきましたが、「使っていないから、心配ない」と言う人もいるはずです。なので、ここではセレコックスと併用する機会が多い医薬品について、併用してもいいのかどうかを説明していきます。

 

エンピナースとの併用

 

エンピナースは炎症の腫れやたんなどに効果がある医薬品です。副鼻腔炎の鼻水やたんの切れをよくしたり、風邪の喉の腫れを抑えたりする際に利用します。鎮痛などの目的で、セレコックスを利用中に風邪を引いた際に、併用の可能性があります。

 

もともとエンピナースは効果の弱い薬で、授乳中の妊婦でも使用できるほどやさしい医薬品となっています。セレコックスとの併用注意扱いでもないので、併用になったとしても特に問題はないでしょう。

マグミットとの併用

 

マグミットは便秘の治療薬として使われる医薬品です。

 

マグミットは成分名としては「酸化マグネシウム」となりますが、先ほど解説した通り「マグネシウム」はセレコックスの併用注意成分です。なので、便秘が長引いていてどうしても改善したい場合以外、原則としてはセレコックスとの併用はなるべく避けたほうがよいでしょう。

 

このように、制酸薬以外でもアルミニウムやマグネシウムが使われているケースは意外とあります。すべてをしっかり把握するのは難しいですが、成分表などを見て気が付いたら、できる範囲で対策していったほうがよいでしょう。

 

トラムセット、リリカとの併用

 

トラムセットやリリカは痛みどめの一種ですが、同じく痛みどめとして使われるセレコックスとは作用機序が全く違います。

 

セレコックス 痛み成分の「プロスタグランジン」の発生を抑える。
トラムセット 脳の痛みを感じる部分に働きかける。
リリカ 神経細胞の興奮を抑える。

 

大まかに言うと、セレコックスは痛みを生み出す成分そのものを少なくするのに対し、トラムセットやリリカは「脳が痛みを感じるしくみ」を弱めることになります。

 

全く同じ作用機序の医薬品だったら併用の意味はありませんが、異なる作用機序であれば、結果として「痛みが取れる」という部分が同じだったとしても、併用することはあります。事実、関節リウマチや坐骨神経痛などの治療において、セレコックスとリリカ(もしくはトラムセット)を同時に処方するケースはよくあります。

 

ただ、セレコックスは長期処方(1年以上の処方)の安全性が確率していないので、長期併用は避けたほうがいいでしょう。基本的には、セレコックスと併用して痛みが落ち着いたら、トラムセット(もしくはリリカ)だけにしていくのが一般的です。

 

たしかに併用すると痛みが良く取れる人もいます。とはいえ、いつまでも併用と言うわけにはいかないのです。

 

デパスとの併用

 

精神疾患などが原因で、デパスやレキソタンなどの抗不安薬、さらにはアモバン、マイスリーといった睡眠薬を服用している人が増えています。その場合、セレコックスを併用してもいいのか気になるでしょう。

 

抗うつ薬としてパキシルを服用している場合は併用注意となりますが、それ以外の精神薬に関しては、基本的には併用は問題ありません。むしろ、「セレコックスを飲んでいいの?」という不安を抱えていると精神疾患に悪影響なので、特に気にする必要はないでしょう。

 

とはいえ、注意点もあります。というのも、精神疾患の薬や依存性・耐性形成しやすく、od(オーバードーズ)に至りやすいというリスクがあります。その際、たまたま手元にあったセレコックスまで合わせて大量服用してしまうケースがあるので、odの危険性についてはあらかじめ頭にいれておくべきでしょう。

 

→オーバードーズ(od・大量摂取)のリスクはあるの?